失った自信…そして転落。振出しへ。マイナス完全版4巻の感想

マイナス4巻完全版 漫画の感想 

こんにちは。フラッキー(@FurakkY)です。マイナス完全版4巻の感想です。「邪魔者は消せばいい。」そう思うに至り、人から嫌われる事を恐れなくなり、自信を付けた主人公のさゆり。しかし、この巻の終わりでは、振り出しに戻ります。本作については、1巻の感想に、簡単なあらすじも書いておりますので、未読の方はそちらから読んでいただく事をお勧めします。なお、この作品はいわゆる18禁作品ではないものの、作中には何かと過激な場面が含まれていますので、くれぐれもご注意ください

さゆりを嗅ぎまわる中村君。そしてばれる秘密。

マイナス完全版4巻

出典:マイナス完全版4巻

3巻で登場した新キャラの中村君。彼は、さゆりの危険なにおいを感じ取り、身近な同僚の教師にさゆりについて詳しく聞き出します。その結果、想像通り、いや…想像以上にさゆりがとんでもない人間だった事を知った中村君は、ますますさゆりに興味を持ちます。

さゆり本人に、中村君が直接聞き取り調査をした結果、さゆりは、中村君がこの時点では知らなかった事まで、全部ばれていると勝手に勘違いしました。そして、その時のさゆりの表情がこちら↓。

マイナス完全版4巻

出典:マイナス完全版4巻

ホラー漫画にでも出てきそうな顔になってます。先述の通り、横田さんを亡き者にした犯人が自分である事が既にばれていると、勝手に勘違いした結果が、この顔です。まさかと思いつつ、その事について中村君が聞いてみると、さゆりは自分から白状しました。

想像以上にヤベェ奴だったさゆりに、さすがの中村君も現実を受け止められず、ドン引きです。思い余ったさゆりはやはり、こう考えます。「邪魔者は消せばいい。」しかし、無事に逃げ切った中村君は一層さゆりに関心を持ち、さゆりの悪事を口外しない事を約束します。理由は「面白いから。捕まったら、さびしいから。普通では出来ない経験をしたいから。」類は友を呼ぶとはよく言ったもの。

そして、このやり取りの中で出てくる下の画像のせりふ。これが作者の方の当時の心情だったのかもしれないと、感じさせられるものでした。この漫画では必要以上に、人間の醜さがえぐい描写を伴って描かれています。色々な意味で吐き気がするのは、読者の方だと思う…けど、これは黙っておこう。

マイナス完全版4巻

出典:マイナス完全版4巻

私がイチバンじゃないと許せない。現実はいつも残酷。

生徒間で、教師の人気投票をしている事を知ったさゆり。当然自分が1位だと信じて疑わなかった彼女ですが、結果は残酷でした。人気取りのために、準備で残る生徒に差し入れをしたり、人気取りのための気遣いアピールも欠かさなかったのに。

マイナス完全版4巻

出典:マイナス完全版4巻

あの女のどこが、あたしよりいいってのよ。北斗の拳 ケンシロウ出典:北斗の拳

全部だ!全部だ!!大事な事なので、2度言いました。まさかの結果に、さゆりは怒りが収まりません。そして中村君に、西山先生について聞くさゆり。中村君によると、「裏表がなさそうで、明るくて、一緒にいて楽しい。」this 伊豆 西山先生。さゆりとは正反対ですね。 こうなると、当然さゆりがやる事はただひとつ。西山先生を陥れる事。世間の常識は、さゆりの非常識。逆もまた然り。この巻まで読んでいると、ついつい忘れがちになりますが、さゆりは元々嫌われる事を極端に恐れていたので、好意が自分に集中してない状態は許せないのです。そして、3巻のデビッドさんと言い、西山先生と言い、良い人ほど酷い目に遭うのは、この漫画ではお約束です。ホントかわいそう。

自作自演でイク。気持ちよくなる最低女さゆり。

出典:マイナス完全版4巻

出典:マイナス完全版4巻

「あたしは努力してきたのに」そう中村君に愚痴るさゆりに対して、中村君は「努力だけでどうにもならない時、先生は必ず他人を蹴落としている。」この様に、中村君に指摘されます。やはり中村君は鋭い。「あたしは変わってない!?嫌だ!!変わりたいわ!!」そう強く思ったさゆりは、西山先生に救いの手を差し伸べます。まあ、自作自演な訳だが。そうして、自分で自分の事をイイ人だと自己洗脳したさゆりは、色んな意味でイッちゃってます。その様子が上の画像です。本当に(自分に都合の)イイ人ですね。

そして振り出しへ…。ビビりなさゆりに逆戻り

出典:マイナス完全版4巻

出典:マイナス完全版4巻

学校で火事が起きました。さゆりは怪我をしています、その怪我も西山先生を陥れるための自作自演なのですが。「自分は怪我をしているのだから、みんな真っ先に自分を心配してくれるはず。」そう思っていたのはさゆり本人だけで、皆我先にと、学校の外に避難します。あっさり見捨てられた自分に対する好意の薄っぺらさにショックを受け、愕然としたさゆりは、これ以後周囲にも露骨に塩対応。周りを恨む前に、今まで自分がどれだけ非道な事をしてきたか、振り返って反省するべきです。

そして、今さら「周りからのゴミみたいな好意なんていらない。」そう思っていたさゆりに、忘れかけていたトラウマワードを浴びせられました。「先生なんか嫌いだ!!」こうして、すっかりトラウマがよみがえり、人から嫌われる事を極端に恐れて、人の顔色を必要以上に、うかがうさゆりに戻ってしまいました。因果応報です。ビビりなさゆりに逆戻りしたところで、4巻終了。最終巻の5巻に続きます。キンドルアンリミテッドなら、この漫画は全巻無料で読めます。

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