天国か、それとも地獄か。誰もが安全を保証される超法治都市。3巻で打ち切られたXEVECのネタバレ感想。

XEVEC1巻 漫画の感想 

こんにちは。 フラッキー(@FurakkY)です。最近は自由に使える時間の大半をストリートファイター5に使っているため、すっかりこのブログの更新も滞ってしまっていますが、今日はコロナの影響で世界中が苦しむ今だからこそ、読んでほしいと個人的に思う漫画のネタバレ感想を書いていきます。リハビリも兼ねて。個人的にはマガジンで連載されていた時から注目していた漫画ですが、残念ながら3巻で打ち切りとなってしまいました。しかし、その分読みやすくなっているので、その点からも個人的におすすめしたい漫画です。では、内容紹介です。

悪人には制裁を。モラルある善良な人々には安全と安心を。

XEVEC1巻XEVEC1巻

皆様もこのご時世、この季節に(この記事は2020年12月5日に書いています。)公共の施設を利用するのにマスクをしてない自己中な輩を1度や2度は目にした事があるでしょう。電車の車内、スーパーの店内、病院内、挙げればキリがありませんが、こいつ等はすべて人の形をしたゴミです。これはどこにでもいる自己中な輩のほんの一例にすぎませんが、こういう輩に限って、自分の義務は果たさないくせに、権利は一人前以上に主張します。そして、他人の権利は侵害します。他人に迷惑を掛ける事に無神経です。だからゴミなんです。体質的にマスクをつけられない人もいるかもしれませんが、それは不特定多数の人が利用する施設で、マスクをしなくてもいい理由にはなりません。

この漫画は、そういった輩に対して誰もが自衛と制裁をできる『一見』理想的な社会を描いた漫画です。法律にのっとって、悪事を働いた人間はその程度に応じ制裁が即座に下されます。具体的には下の画像の様な感じです。

XEVEC1巻

上の画像の女性は本作の主人公・シムラ深月(17)JKです。メガネ男に電車内でパンツを盗撮されたので、XEVECというシステムを使って、制裁を加えます。これは簡単に言えば、申請された内容を即座に判断して、承認されれば制裁権を認めてくれたり、輩から物理的に身を守ってくれたりする超便利アイテムです。この漫画の肝でもあります。盗撮メガネ男とは、パンツ盗撮容疑を否認した挙句、逆切れして被害者を恫喝・中傷したので、個人情報全開の刑に処され、めでたく社会的に抹殺される事になりました。どうですか?これ。可能なら今すぐにでも、導入して欲しい神システムでしょう?特にいちいち、過度に他人の行動に干渉して自分が絶対正義だと思い上がって止まない「自粛警察」の皆様はこういうのが大好きなんじゃないの?

悪人には制裁を。モラルある善良な人々には安全と安心を。このシステムがあれば、誰もが住みよい素晴らしい社会になるはず…だった。のですが、ところはそうはいかなかった。ここからが本作の本題です。

法律と権利と上級国民。

パンツ盗撮陰キャメガネ男を懲らしめて、というか社会的に抹殺して気持ちよくなったシムラ深月(17)。彼女には姉がおり、その姉と喫茶店で待ち合わせしている所で、一人の男に出会います。外法屋(げほうや)クドウ鎮間(しづま)。先程、深月が主人公だと書きましたが、本当に主人公はこの人なのかもしれません。1巻の表紙にもなってるし。

XEVEC

 

自分の申請が受理される事を確信して、XEVECに制裁権と慰謝料10万円を要求する深月でしたが、あっさり棄却されます。一体何故?この男は、この店のオーナーから「喫煙する権利」を認められているため、深月の申請は受理されなかったのです。現実でもしばしば、これとよく似た場面を目にするのは気のせいではないでしょう。いわゆる上級国民の皆様と一般庶民の我々がもし仮に同じ過ちを犯してしまったとしても、「上級国民には実質おとがめ無し」みたいな感じで。ちなみに、お姉さんは待ち合わせの喫茶店には現れませんでした。何者かによって殺されたからです。一体、誰が何のためにお姉さんを殺したのか。ルールとは一体誰のためにある物なのか?正義と何なのか?

XEVEC1巻XEVEC1巻

残念ながら打ち切られた本作ですが、このご時世だからこそ尚更、色々と考えさせられる作品になっていると思います。隙あらば、乳首を連呼しているこのブログでも今回は珍しく文中で、この単語を全く使いませんでした。連載終了以来、久しぶりに単行本を買って読んでみましたが、私はこの漫画、好きです。全3巻を買ってもキンドル版なら1,400円足らず。久しぶりに、サービスシーン抜きにして純粋に読んで良かったと思える作品に出会えました。

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